ギラつく陽射し。
憎いほどに晴れ渡った、真っ青な空。
切り取られたそれらの景色と
滴る汗。
床に零れる塩辛い液体。
それは汗だったのか涙だったのかー…
私は、コートに蹲っていた。
バスケットを初めて5年。
小学校3年生の時、体育館に入った瞬間に魅了された。
あの熱気に、あの気迫に、あの迫力に…・
私の感覚の全てが、示していた。
バスケをしたい…
そのまま即入部を決断して、今…中学2年生の夏に至る。
こんなにバスケから離れたのは、初めてだった。
ミニバス時代にはしょっちゅう休みたいと思っていたし、長期休みは嬉しかった。
それがいつからか…バスケがないと、暇で暇でしょうがなくなってしまっていた。
だというのに。
靱帯断裂。
別に、治らないわけじゃない。
ちゃんと治る怪我だ。
ただ感覚的に…もう戻れないと、私はわかった。
もう、あの熱気を感じることはできない。
問題は身体じゃない。気持だ。
冷めきったこの心が、投げやりになってしまったこの心が…
再び熱くなることなんて、あるのだろうか。
ふと、目を向けた窓の外。
切り取られた空には、それを邪魔する電線と電柱。
口角が、知らず攣り上がる。
全部消えてしまえばいい。
そうすれば、悩む必要も考える必要も…感じる必要も、なくなるのだから。
END.
一話完結もの ダーク:
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君がそう言うのなら。
君がそう言うのなら、僕は それに従おう。
「こっち来ないで」
冷たい声でそう言い放つのは、僕の彼女・瑞葉(みずは)。
その言葉に従って、僕はそっと彼女のいるリビングから出る。
それに従わずにいて、僕の大事な商売道具が捨てられちゃ適わない。
僕は、インターネットのアフィリエイトで稼いでいる。
だから商売道具とは、要はパソコンのことだ。
僕が定職に就かずにいることに彼女の異論はなかった。もちろん今だって、そのことに関してうだうだ言われることはない。
なんだってリビングにパソコンを置いてしまったのか…しかもデスクトップ型のを。
持ち運べないどころか、仕事自体がし辛くってしょうがない。
まあ、1LDKだったからリビングに置くしかなかったのだけれど。
彼女の我が儘は、今に始まったことではない。
思えば、付き合い始めた頃からその気はあったのだ。
ただ、同棲し始めてそれが顕著になったというだけで。
最初のうちは「かわいいわがまま」でしかなかったが、それが次第にエスカレートしていった。
そして最終的には…「女王様」と化したのだ。
「健太!アイス食べたいんだけど」
「……わかった」
このセリフだって、何度言われたことか。
どんなアイスがいいかなんて、聞くまでもない。もうとっくのとうに、覚えてしまった。
コンビニにつくと、迷わず100円アイスを通り過ぎ、某有名なアイスメーカーのアフォガードを手に取る。それから、彼女の気が変わった時のために同ブランドのドルチェシリーズをいくつかと、クリスピーサンドをカゴに入れてレジに向かった。
どうして僕が彼女のためにここまでするのか。
よく聞かれるが、特に理由は思いつかない。
「愛してるから」なんてゆう、ありきたりなセリフも出てこない。そんなの、歯が浮くどころの話じゃない。
ただ、彼女がそこにいるのが普通になってしまっただけ。
いないことが、非日常になってしまっただけ。
ゆっくりと帰路を辿って、家に着く。
往復約30分。
鍵をドアに差し込み、手首をひねる。
カチャリと、小気味のいい音がして、ドアが開く。
「ただいま、買ってきたよ、瑞葉」
声をかけて出てきたのは、満面の笑みの彼女。
いきなり態度が豹変するのはいつものこと。
その30分の間に何があったか なんて、僕の知ったことじゃない。
「アリガト、健太」
普段はめったに言うことのないお礼の言葉に、ふと頬が緩む。
彼女の細い腕が、僕の腕に纏わりつく。
ただ、アイスを買ってきただけだというのに…珍しい。
でも。
僕は、これがあるからやめられないんだ…
END.
一話完結もの 恋愛 :
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すみません、新生活にかまけて更新してませんでした…
正直、いまだに私生活の方がかなり忙しいので
いつかのように毎週3話更新は難しいと思いますが
来週から更新再開できたらと思います
ちなみに。
一旦、今までの連載作品は凍結状態にし、
九条がその世界に入りきれるまで
短編(中編)小説をあげていく予定です。
(あまりに長く、放置しすぎてしまいました…)
ではでは、もうしばらく生暖かい目で見守ってくださると嬉しいです
管理人より:
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「うん…うれしい」
そして、あたしも狂った。
あたしの世界には、最初から彼しかいなかったんだ。外も内もない。
彼が、世界の全てだったんだ。
「僕も…きみがわかってくれて、うれしいよ」
そう、きみの世界には僕だけがいればいい…。
汚らわしいあいつも、可哀相なあのヒトも、きみの世界には要らない。
僕が いれば いいだろう?
もちろん、そんなものは僕の世界にも要らない。
きみさえいれば、いい。
僕には、きみだけ…きみにも、僕だけ、だろう…?
「さあ…何をして遊ぼうか、僕の親友」
私の心には、奇妙な浮遊感があった。
でも、そんなものどうでもいい。
彼が、いる。
「何がいいかな…」
きみが、クスクス、と笑いながら言った。
思わず、僕にも笑みがこぼれる。
そうだ、しばらくは、何もしないでおこう。
僕ときみだけの世界を、もっと満喫するんだ。
ああ、狂気は、なんて心地いいんだろう。
END.
完結「狂う」 ダーク :
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「どう…して?」
ようやく発した声は、擦れていた。
「僕ときみは、一つの肉体を共有しているけど…肉体の主人は、あくまでも僕だからね。
きみが死ぬときであっても、僕さえいれば、こうはならないよ」
きみは、返事をしてくれない。
もう一押し、必要ということだろうか。
「僕ときみは、この體を通して常に一緒なんだ……離れることのできない、お互いがお互いの唯一無二の存在なんだよ………」
彼がいなくては、私は死んだらこうなってしまう…彼がいなければ、私はここにいなあ…彼が、いなけれ ば……。
顔から、さあっと血の気が引いていった。
ああ、きみのその顔は、本当に僕をそそってくれる……
堕ちていく、きみ。
「そう、僕がいなければ、きみは存在もできない…選択肢もないんだよ。
ねえ、僕がいて…うれしい、だろう…?」
ああ、彼は狂っている。
あのヒトもあいつも狂っていたけど、彼が一番狂っている。
To be continue.
完結「狂う」 ダーク :
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