きみの指が、すぅー、と艶めかしくあいつの首を撫でた。
それから、そっとあいつの手首を握った。
そして、瞼の向こうの瞳孔を確認した。
あいつは、死んだ。
きみが、殺した。
「う、わ…」
どれくらい経っていたのだろう。
私は、屍体に馬乗りになったまま、しばらく放心していた。
そして私は、思わず声をあげてしまった。
あいつの…穴という穴から、液体が……流れ出てきた。
「生理現象だよ」
きみに答える。
「ヒトは肉体が死んでしまうとね……こう、なってしまうんだ。
本で読んだよ、見たのは初めてだけど」
そう言って彼は、屍体から離れた。
「きみは、汚いと思うかい?」
きみからの返事はない。
「別に…汚くなんかないさ。
ヒトは、当然通るべき路さ」
彼の解説は続く。
「でも、僕がいる限り、きみはこうはならない」
To be continue.
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四肢が、あつい。
指先に、血液が溜まっていくのがわかる。
そうか…死ぬって、こんな感じなのか……そりゃ、ちょっとは苦しいけど、思っていたほど不快じゃない。
窒息死、だからだろうか…それとも、あのヒトもこんな風に消えたのだろうか………いや、きっともっと簡単に、抗う術を思いつく間もなく殺されたんだろう。
い や 、 殺 し た 。
「…死んだ?」
彼に尋ねられ、血の気のなくなったあいつの顔を見つめながら、そっと、つい先程まで絞めていた頸動脈に指をあてた。
血が流れている様子はない。
念のため、脈をとり、眼球をみた。
示されたのは、あいつとあのヒトの體が、生命活動を停止したという事実。
To be continue.
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その言葉を聞いたあと、僕の身体は無意識に動いていた。
いや…僕の意識を抑えて、そう、きみが、動かしたんだね…。
きみは本当は、僕の意志にも負けないくらい強かったのか。
あいつを突き飛ばす、僕の腕。
あいつを跨ぐ、僕の脚。
あいつの首を絞める、僕の指。
それらを指示する、きみの思考。
「うぅ……」
つい、呻いてしまった。
あのコに…こんな力があったなんて……。
首を絞めるあのコの手首を掴んだ。
でも、びくともしない。
どこに…こんな力が潜んでいたのか。
「許さ、ない」
口から漏れた声は、どっちが言ったものだっただろうか。
「さ よ な ら」
やけにはっきりと、あのコの口が動いた気がした。
そうか…死ぬのか。
あのヒトと、同じところへ………
To be continue.
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私の顔が、驚いたのがわかった。
おそらく、驚いたのは彼……彼自身も、知らなかったのだろうか…あいつに、いつ消されるかわからないことを。
そう思ったら、急に彼に同情してしまった。
そして、同時に怒りが込み上げてきた。
あいつを、睨み付けた。
彼は、何も言わない。
「なんだい、その反抗的な眼は…」
あのコのその、反抗的な眼につられて、意地を張ってしまいそうだ…
「本当、なんだ…?」
「当たり前だろう」
再確認で…最終確認だった。
これで肯定されたら……私は、決心していた。
あいつはそんな事を知る由もなく、いとも簡単に肯定した。
To be continue.
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「あいつ、だよ」
あのコは、無理矢理口を挟むように言った。
いや、おそらく本当に口を挟んだんだろう。
「何が悪い。
自分のものが要らなくなったから、自分で処理したんだ」
「じゃあ、私も…彼も、不要になったら消すの」
そんなこと不可能だ。
きみは、僕のもの…あいつには、壊せない。
「そうだよ」
口が滑った。
こんなこと、言うつもりは無かった…。
あのコを壊せるのは、あのコ自身だけなのに…
To be continue.
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